<プロボクシング:IBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦>◇27日(日本時間28日)◇米ニューヨーク・マディソン・スクエア・ガーデン・Huluシアター

IBF世界スーパーフェザー級3位尾川堅一(33=帝拳)が米ニューヨークの大舞台で世界王座を手にした。

   ◇   ◇   ◇

尾川は家族行事が最優先だ。19年12月、WBOアジア・パシフィック・スーパーフェザー級王座挑戦時、偶然のバッティングで右目上をカットしたが、傷が回復する前に恒例の家族写真を撮影した。梓夫人に長男豹君、次男亜陸君、三男皇君に囲まれ、リングではみせない笑みをこぼした。「家族のおかげで(前回の世界戦から)4年間はあっという間に思えた」。

一方、試合が決まると家族と離れ、自費でホテル生活に入る。調整に集中するために15年ごろから1人時間を大切にしている。「(元WBC世界バンタム級王者山中)慎介さんが試合前にホテル生活をしているのを見て自分も取り入れた。スパーリング動画を見たり、練習を振り返ったり。家族に寂しい思いをさせてしまうけれど試合が終われば遊べますし」。最高の土産を持ち、尾川は家族のもとに帰る。【藤中栄二】