プロボクシングを統括する日本ボクシングコミッション(JBC)が3月31日、財政難を理由に解散した。純資産が2年連続300万円を下回り、一般財団法人の法律に抵触したことで、同日の理事会、評議員会で解散を決議した。JBCの口座は差し押さえられており、今後は清算法人として清算手続きに着手するが、9日の村田-ゴロフキン戦をはじめ、4月以降の試合についてはこれまで通り運営を継続していく。

JBCの主な収入源は、選手らのライセンス料と試合の承認料。永田有平理事長は会見で「20年は3000万円、21年は2800万円の赤字。コロナ禍で試合数が激減したことが一番の原因。ボクサーも減ってライセンス料などの収入も減少した」と理由を説明した。元世界王者の亀田興毅さんらが国内試合ができなくなったとして損害賠償を求めた訴訟の、約5000万円の引当金については「借入金なので関係ない」と影響を否定した。

年度末までに純資産が300万円以上になれば財団法人を継続できるため、今後は日本プロボクシング協会と協議しながら再建策をまとめる。すでに複数の企業に支援を打診しているという。一方で財団法人に復活できない場合も想定して一般社団法人として登記も済ませている。敗訴した亀田裁判の約1億円の賠償金について、永田理事長は「清算法人が責任を持ってお支払いする」と明言した。