総合格闘技のRIZINは17日、今年2度目のナンバー大会となる35大会を開催する。前日16日のトリガー3大会に引き続き、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザを舞台に行われる同大会は、ライト級、フェザー級、女子スーパーアトム級の3大タイトルマッチを核にする。キャッチコピーは「美しき復讐か、残酷な返り討ちか-」。その言葉が示す通り、3試合全てが過去に対決した者同士の戦いとなった。

メインイベントはライト級選手権試合。王者のホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル、32=ボンサイ柔術)が、ジョニー・ケース(米国、32=MMA LAB)を迎え、昨年大みそか大会以来2度目の防衛戦に挑む一戦だ。

RIZIN8試合の出場を誇る「柔術界の至宝」は、21年6月の東京ドーム大会でムサエフを退けて初代王座戴冠を果たすと、昨年大みそか大会の初防衛戦では矢地を2回一本で撃破。国内敵なしの様相を呈するが、絶対王者に君臨するために必須となるのが打倒ケースだ。19年10月の大阪大会で対戦し、唯一黒星を喫している相手。1回、タックルを仕掛けたところにパンチを受けて倒れると、あえなくマットをタップする屈辱の敗戦だった。2年半ぶりの再戦が、タイトル防衛戦。「違うサトシを見せたい」と、雪辱に燃えている。

セミファイナルはフェザー級選手権試合。王者の牛久絢太郎(27=K-Clann)が、前同級王者斎藤裕(ゆたか、34=パラエストラ小岩)の挑戦を受ける。この2人の構図は、昨年10月の横浜大会では正反対だった。同大会が初出場となった挑戦者の牛久は、王者斎藤に2回途中に飛び膝蹴りを当てて右目上部をカット。レフェリーストップによるTKO勝ちを収め、初戦でタイトルを奪取する番狂わせを起こした。

だが、牛久にとっても、すっきりしない結果となった。決定打となった飛び膝蹴りは「偶然」という見解もあり「たまたまだと思われている」と嘆いた。「次の試合でしっかりと認めてもらう」。リマッチでベルトを防衛するとともに、今度こそ自身の実力を存分に証明する構えだ。

第8試合は、女子スーパーアトム級王者の浜崎朱加(40=AACC)が、DEEP JEWELSストロー級王者の伊沢星花(24=フリー)の挑戦を受ける。昨年の大みそかにノンタイトルマッチで対戦するも、「超新星」と呼ばれる伊沢に序盤から苦戦。2回にマウントポジションからパウンドを連打されてTKO負けを喫した。

浜崎にとっては、これが対日本人初の敗戦。「私よりも周りの人たちが悔しがってくれた。それがめちゃくちゃこたえた」。再び同じ思いをさせないために、40歳はまだまだ道を譲らないつもりだ。

リベンジか返り討ちか、防衛か奪取か-。因縁うずまく大会が、幕を開ける。