後楽園ホールの60周年を記念し、創立50周年イヤーの新日本プロレスと全日本プロレスが夢の共演を果たした。

後楽園ホールでデビューした新日本の棚橋弘至(45)と全日本の宮原健斗(33)の2人が、メインイベントのタッグマッチで越境コンビを結成。新日本のタイチ、全日本のジェイク・リー組と対戦した。

初めは相いれない様子の2人だったが、試合が進むうちに波長があったのか、息ピッタリに。2人でリング上に並んで筋肉を誇示すると、試合終盤には、棚橋がジェイクをテキサスクローバーホールドで、宮原がタイチをスネークリミットで、それぞれ捕まえる関節技の共演。エースコンビが、還暦を象徴する「赤色」のマットの上で躍動した。

試合は、お互いに必殺技を決めきれず、30分時間切れ引き分け。それでも、後楽園ホールに集まった超満員1588人のファンからは大歓声を受けた。

棚橋は「こんなに皆さんが集まってくれた後楽園ホールは2年ぶり。お客さんが来てくれなくて苦しい時もあった。本当にありがとう」と感極まれば、宮原は「戦って分かったことはプロレスは最高だということ。後楽園ホール最高です!」と破顔。それぞれの言動で、プロレスができる喜びを“格闘技の聖地”で爆発させた。

60周年記念だけで終わらせるつもりはない。試合後、宮原は3冠ヘビーのベルトをタイチに見せつけると、棚橋はジェイクに「新日本に上がって来いよ」と提案した。66年11月に開催された日本プロレスの興行から、プロレスの歴史を見守り続けてきた後楽園ホールのマット。これからも新たな歴史が刻まれていく。