試合前まで名前が公表されていなかった「史上最高のX」の正体は、新日本プロレスの小島聡(51)だった。

第9試合の開始前、小島の入場曲「RUSH!!」が響き渡ると、会場はこの日いちばんの盛り上がりを見せた。ノアのTシャツに身を包んだ小島が、堂々とリングイン。タッグを組むノアの天才、丸藤とポーズを決めると、再び大きな拍手に包まれた。

試合はノアの若手、稲村、岡田組と対戦した。15分01秒、小島が岡田にラリアットを突き刺して勝利を収めると、丸藤とがっちりと握手。団体の枠を超えたトップの共演だった。

大会前、丸藤と組む「X」とは誰のことなのか。ファンの間ではさまざまな議論を生んだ。バックステージに現れた小島は「どれだけハードルを上げてくれるんだ…。ハルク・ホーガンとかザ・ロックとかそんな人が来ないと納得しないよ、お客さんが…」と話すなど恐縮気味だった。

それでも「本当にすごくよかった。楽しかった」と振り返り、「まだ明言はできないけど、俺の入場シーンを見てもらえれば分かると思う。俺にはやり足りないことがある。だからこのリングを選んだ」と、継続参戦を示唆した。

メインイベントで潮崎豪がGHCヘビー級王者になったのを見届けると、リング上に再び登場。「次のチャレンジャーは俺だ!」と挑戦状をたたきつけた。新日本、全日本に続く、ヘビー級のトップベルト戴冠へ照準を定めた。