今年1月にプロボクシング日本ミニマム級王座決定戦で敗れた同級4位森且貴(22=大橋)が再起戦でユース王座に挑む。10日、東京・後楽園ホールで開催されるフェニックスバトル88大会で日本同級ユース王者伊佐春輔(24=川崎新田)に挑戦する。9日には都内で前日計量に臨み、両者そろってリミット(47・6キロ)でクリア。森は「ここから日本、アジア、世界へいけると思われるように内容にもこだわりたい。一生懸命に戦いたい」とリスタートを強調した。

日本同級王座決定戦では石沢開(M.T)に8回TKO負けを喫した。負けたショックを引きずっていたが、同門の先輩となるWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥から「元気がねえぞ」などと励まされたという。森は「(6月7日にノニト・)ドネア戦も決まってプレッシャーがあるだろうに。愛情なのかなと。一言一言がうれしいです」と気合を入れ直した。

1月の敗戦後、所属ジムの大橋秀行会長から「またチャンスは必ず来ると思って頑張れ」と言われた直後の再起戦が、興行メインイベントのユース王座挑戦となった。「ここから頑張らないといけない」と気合を入れた森は「(伊佐は)ステップが独特で連打をまとめる選手」と警戒も忘れずに再起のリングに向かう。

一方、初防衛戦となる王者伊佐は「ジャブが大事になる。(所属ジムの)新田(渉世)会長から『しっかりチャンピオンらしく』と言われているので、王者らしいたたずまいで臨もうと思う」と冷静な表情。森が同級で東洋太平洋11位、日本4位とランク入りしていることもあり、伊佐は「(森の持つ)ランキングをすべて奪いたいと思っている」と静かに燃えていた。