ボクシングIBF世界スーパーフェザー級王者尾川堅一(34=帝拳)が英国の鬼門データを払拭する勝利を狙う。

6月4日(日本時間同5日)、英カーディフで同級3位ジョー・コルディナ(30=英国)との初防衛戦に臨む。17日に都内の所属ジムで元日本フェザー級王者佐川遼(28=三迫)との5回のスパーリングなどで最終調整。「順調です」と充実した表情を浮かべた。

昨年11月に米ニューヨークでフジレ(南アフリカ)を下して新王者になって以来、約7カ月ぶりのリングはコルディナの出身地で迎える完全アウェー戦だ。19年5月に井上尚弥が英国開催の世界戦で日本人初勝利を挙げたが、対戦相手はプエルトリコ人。日本人が英国で英国人と拳を交えた世界戦は過去5戦全敗中だけに、尾川は「それは1つモチベーションが上がる記録ですね。自分にはプラスのデータでしかない」と声をはずませた。

前回、スポーツの殿堂と言われるマディソン・スクエア・ガーデンで日本人世界戦初勝利を挙げた尾川は「日本人初」の達成にもこだわりが強い。「世界で戦えるのは世界王者だけ。自分の武器を出してダウンを奪いたい」と気合十分だった。【藤中栄二】