ボクシングWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が、WBC世界同級王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)に引導を渡す姿勢をみせた。6月7日、さいたまスーパーアリーナで3団体王座統一戦としてドネアとの再戦に臨む。19日には横浜市内の所属ジムで調整。WBO世界スーパーフライ級10位KJカタラジャ(27=フィリピン)と4回のスパーリングを消化した。

ドネアとの約2年7カ月ぶりの再戦を控え、井上は「一方的に、触れさせずに終わると思う」とキッパリと言い切った。前回は12回判定までもつれ、年間最高試合にも選出された。世界注目の好カードとなり「ドラマ・イン・サイタマ2」と言われている。しかし井上は「今回はドラマにならない。多分、ドネアは負けたら引退だと思う。ドネアが『まだまだやれるんじゃないのか』という、そんな試合にはならない」と確固たる自信をみせた。

大橋秀行会長(57)によれば、WBO世界同級王者ポール・バトラー(33=英国)が試合視察を希望しているという。4団体統一に向けて対戦不可欠な対抗王者も視察するかもしれないドネア戦まで3週間を切り「日に日に(気持ちは)高まってくる感じになると思います」と集中力を研ぎ澄ませた。

18年5月、当時のWBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル(英国)を下して世界3階級制覇を成し遂げてから同級では8戦目となる。井上は「今回は、特にモチベーションも高いので減量もすごくいい感じですね」と充実した表情を浮かべていた。