出産から11カ月の東洋太平洋女子フライ級2位小沢瑶生(37=フュチュール)が、3度目の挑戦で世界王座を獲得した。

初防衛戦だったWBO世界女子スーパーフライ級王者吉田実代(34=三迫)に挑戦。10回を戦い抜き、2-1の判定勝利でWBOベルトを巻いた。序盤から最後まで手数多く攻め続けたことでジャッジに支持され、注目のママさん対決を制した。

19年4月以来、約3年1カ月ぶりのリングだった小沢は「オファー来た時は産後4カ月で走ってすらいなかった。まだ無理だろうと思っていた。無理と思うことを一生懸命やったらかなえられる。(ママさん対決は)試合になったら、その背景考えていなくて。どういうパフォーマンスするかだけ考えていた。長くボクシングするには努力が必要だし、すごいなと思います」と王者に敬意を表しつつ、達成感いっぱいの表情を浮かべた。

夫はジャズピアニストの岸本良平さんで、出げいこの際には車での送迎を担当してもらった。昨年6月に誕生した長男緯泉(いずみ)くんの育児にも積極的で「主人が一緒に頑張ってくれて。取れて良かったなと思います。(子育てとボクシングの両立を)1つ1つクリアした結果、チャンピオンになれた」と感謝。世界ベルトを巻き、安堵(あんど)の笑みを浮かべていた。