日本の至宝が世界へ大アピールだ。

WBOアジア・パシフィック、日本スーパーライト級王者、平岡アンディ(25=大橋)が、日本同級8位、赤岩俊(29=マナベ)の挑戦を退け、両王座2度目の防衛を果たした。6回1分24秒、TKO勝ち。初めてのビッグ会場、さいたまスーパーアリーナで、実力を誇示した。

これまでサウスポーに対し無敗を誇る新鋭が相手でも、自身のファイトに徹した。スタートから手数で圧倒すると、1回中盤には左アッパーでダウンを奪取。踊るようなジェスチャーで挑発する余裕も見せ、最後は6回、パンチの連打をまとめて勝負を決めた。5回以降から、サウスポースタイルにスイッチした相手にも冷静に対応した。

今年2月のクリスチャーノ戦に続く、2度目の防衛を達成。「強豪と戦っていければ、もっと自分の力を発揮できる。(将来的に)世界チャンピオンにもなりたいので、これから応援よろしくお願いします」と胸を張った。

さいたまスーパーアリーナ初出陣。1万人以上の前で試合をするのも初めてだった。さらに、セミファイナルで組まれた試合は、日本ではAmazonプライムビデオ、米国はESPN+でライブ配信された。「目の肥えた人に見てもらうことが大事。そこで結果を残すことが世界ベルトにつながると思う」。世界王者を狙う男にとって、これ以上にない舞台だった。「ちょっと長くやりたいなと思って6ラウンドで、仕留めました。気分が良かった」と、ちゃめっ気たっぷりに話した。

これでデビュー無敗の20連勝。19年11月続く連続KOも6に伸びた。アジアでは敵なしの状況。「国内外で認めてもらえる試合内容にしたい。映像でも届くインパクトを残したい」と話していたように、今後も米国ファンに届くファイトを披露し続ける。

◆平岡アンディ(ひらおか・あんでぃ) 1996年(平8)8月8日、神奈川県横浜市出身。4歳から競技を開始。10歳の時に花形ジムに入門。中学からは陸上部に所属し、横浜高時代は陸上中距離で国体にも出場した。13年にプロデビュー。15年、高校卒業と同時に渡米して修行。16年、大橋ジムに移籍。17年に初代日本スーパーライト級ユース王者を獲得。21年に日本、WBOアジアパシフィックスーパーライト級王座を獲得した。通算成績は20戦20勝(15KO)。身長182センチのサウスポー。