元東洋太平洋スーパーバンタム級王者和気慎吾(34=FLARE山上)が再起戦を飾った。日本同級9位水谷直人(33=KG大和)との同級8回戦に臨み、7回2分56秒、TKO勝利を挙げた。サウスポー同士の打ち合いとなったが、左ボディーアッパー、上下への連打で攻め続けると7回終了間際でレフェリーストップに追い込んだ。

昨年11月、元WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(大橋)とのWBOアジア・パシフィック同級王座決定戦に判定負けして以来、7カ月ぶりのリングだった。圧勝を目標に掲げていただけに「苦戦したのは反省点で残念。言い訳できないですが、前回、井上拓真選手との大きい試合で負けてから進退を考えた」としながら、会場に足を運んだ1185人の観衆に向けて感謝の気持ちを伝えた。「自分にはこれだけたくさん応援してくれる人がいたので再起できました。中途半端にはできない。もう1度あの世界舞台に立って、世界ベルトを巻く強い気持ちでリングに立ちました」と報告。16年7月、ジョナタン・グスマン(ドミニカ共和国)とのIBF世界同級王座決定戦で敗れて以来の世界再挑戦を見据えた。

緊張した再起戦のリングを振り返り「すごく重圧があって、1人で苦しい思いをして減量した。ただ勝ったことで次に舞台が用意されている。その舞台がある限りリングに立つつもりです」と気合を入れた。現在、WBC世界同級19位に入っているものの、まだ世界挑戦可能なランクではない。まずは世界ランキングのアップを狙うことになる。