元WBC女子世界フライ級王者で、男性ボクサーとして復帰を目指す真道ゴー(35=グリーンツダ)が、プロテストを受験するための異例のスパーリングに臨む。6日に所属するグリーンツダジムが発表した。

同ジムは7日に大阪・KTM河本工業総合体育館(枚方市総合体育館)で興行を実施する。当初はその興行内でプロテスト受験を目指していたが、日本ボクシングコミッション(JBC)からはルール規定の改正が間に合わないとして認可されなかった。女子ボクシングから男性への転向は前例がなく、JBCとしては慎重な姿勢を保つ。ジム側は男性として戦えることを示すべくスパーリングを行うことになった。

7日の興行内で3分2ラウンドを予定。JBCと指定のコミッションドクターが実際に見て判断する「事前評価スパーリング」という、過去に例がないテストのためのテストに臨む。

性同一性障害に悩んできた真道は17年10月に引退。性別適合手術を受けて、戸籍も男性に変えた上で、ボクシングへの情熱を失わず昨年5月にジムの本石会長に直訴し、同会長も今年4月に東京都内のJBCを直訴に訪れるなど認可に向けて積極的に動いてきた。

日本プロボクシング協会は7月の理事会で真道のプロテスト受験をあらためて容認。JBCに強く要請することを決定するなど、後押ししている。本石会長は「7日のプロテストを目指し取り組んでまいりましたが、ルール規定の改正が間に合わず今回はプロテスト受講を見送ることになりました。しかし、以前からJBCと協議し、話し合いを重ね、今回大きなチャンスをいただきました。当日はプロテスト同様に身体検査も実施し、スパーリングを通して現在の真道ゴーの状態、レベルを観察していただき、これからのトランスジェンダーとしての道が広がる大きな一歩と受け止めて真道ゴーはリングに上がります」とコメントした。