プロボクシングWBAスーパー、IBF世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン(40=カザフスタン)が17日(日本時間18日)、米ラスベガスのT-モバイルアリーナで4団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(32=メキシコ)との3度目対決に臨む。1階級上のスーパーミドル級初戦で、アルバレスの保持する4本のベルト獲得を狙う。

両者の過去2戦の軌跡を追う。

◆初対決 17年9月16日、お互いの強打の応酬が展開されたが、ダウンなど決定打となるパンチはなく、12回が終了。ジャッジは114-114が1人、115-113でゴロフキンを支持、118-110でアルバレスを支持し、三者三様のドロー。3団体統一王者だったゴロフキンは「(採点は)私のせいではない。私は常にプレッシャーをかけた。まだすべてのベルトは私が持っている。まだ私が王者だ」と話した。

◆再戦発表 18年1月29日に再戦が発表され、同年5月5日に2度目対決することが決定。ゴロフキンは「再び戦う準備ができている。これは世界が望んでいる戦い。最初の戦いでのジャッジはいくつか同意できなかった。今回は疑いの余地なく、世界ミドル級王者としてリングを降りる」とコメント。アルバレスは「この2度目対決は最高の戦いを見たいと願うすべてのファンの利益と喜びのため。私は彼をKOするのでジャッジは言い訳にならない」。

◆アルバレス薬物違反 18年3月5日、アルバレスのドーピング検査で陽性反応。禁止薬物クレンブテロールが検出され、アルバレスはメキシコ故郷グアダラハラでの汚染牛肉摂取を言い訳にした。

◆アルバレス出場停止 18年3月23日、ネバダ州アスレチック委員会から一時的な出場停止処分を受け、同4月10日に公聴会が設定されたが、公聴会1週間前にアルバレスがゴロフキンとの2度目対決を辞退。公式に延期となり、同4月18日には6カ月の出場停止処分に。

◆ゴロフキンIBF王座剥奪 18年6月6日、指名期限を守らなかったことを理由にIBFから同団体王座を剥奪された。同9月15日にアルバレスとの2度目対決の交渉が進んでいたが、条件面は難航。

◆再戦再決定 18年6月13日、アルバレスとゴロフキンが同9月15日のメキシコ独立記念日の週末に再戦することで合意

◆薬物違反で舌戦 ファイトウイークの同9月11日にゴロフキンがアルバレスの薬物違反についての言い訳に触れ「牛肉だったとは思えない。医薬の専門家はドーピングで肉ではないと判断した。ナンセンスだし、彼の手と腕に注射の跡があった」と苦言。アルバレスは「おぼれる人の悲鳴だ。土曜日の結果への言い訳だ。11年以来VADA(ボランティア・アンチドーピング協会)によって監視されてきた」と反論。

◆2度目対決は僅差 同9月15日 アルバレスが2-0(115-113×2、114-114)の僅差判定でゴロフキンから勝利。アルバレスは「私は偉大なファイターで、今夜それを示した。もしファンがもう1度と希望するなら、もう1回やります」。負けたゴロフキンは「ジャッジはカネロ(アルバレス)だが、今夜、誰が勝ったは言わない。とてもエキサイティングが試合だったと思う。私は彼よりもうまく戦ったと思った」。