ボクシングの元世界3階級制覇王者で「3150FIGHT」を運営する亀田興毅ファウンダー(35)が1日、79歳で死去したアントニオ猪木氏を悼んだ。

「巨星墜つ。残念です」

興毅氏は今年4月末、現日本ヘビー級王者但馬ミツロ(27=KWORLD3)と猪木氏を訪ねている。元世界ヘビー級王者の“カリスマ”ムハマド・アリ氏が最も尊敬するボクサー。そのアリ氏と1976年(昭51)6月26日に日本武道館で「格闘技世界一決定戦」と銘打たれた伝説の試合を戦った猪木氏に「お願い」をするために向かった。

当時、但馬はプロデビュー戦の前だったが、興毅氏は「いずれは日本選手で初の世界ヘビー級王者に」と大きな期待をかけ、演出にも力を入れた。そして猪木氏から快諾を得たのが入場曲、「炎のファイター INOKI BOM-BA-YE(猪木ボンバイエ)」の使用だった。

「ちょっとビビりながら行ったんですが『おまえらで盛り上げてくれよ』とあっさり。あまりの人間の大きさに感動しました」

自身は今、ボクシング再興を掲げて挑戦を続ける。一大ブームに一時代を築いた猪木氏は「ほんまにカリスマやから」と目指す1人。今後のボクシング界を盛り上げていく決意で「魂は継承していきます」と誓った。

将来的に世界の舞台を狙うミツロは「猪木さんがお亡くなりになられて、とても寂しい気持ちです。お会いした際にポルトガル語で会話させていただいた思い出は自分の財産です。猪木さんのご遺志を受け継ぎ、これからも強い気持ちを持って迷わずいきます。ありがとうございました」とコメント。猪木氏の「炎の魂」を絶やさず、燃やしていく。【実藤健一】