宮崎・日章学園高時代に2冠を獲得した井上彪(たける、23=六島)がデビュー戦を勝利で飾った。

タイのピヤ・チャイチュートと対戦。強打の相手との距離感に苦しんだが、左ボディーを中心に攻め込む。最終6回2分26秒に左ボディーから連打をまとめてTKO勝ちした。

「久しぶりの試合で緊張するかと思ったが、落ち着いて試合をすることができた。動画もデータもなく、どういう選手が分からなかったが、思ったよりタフで手ごわい選手だった」

想定外の相手に戸惑いもありながら、冷静に試合を組み立てたのはアマチュアでキャリアを積んださすがの素質を示した。「判定できっちり勝ちきればと思ったが、最後に練習で追い込んできた成果が出ました」とプロボクサーとしての手応えを口にした。

井上は高校1年時に全国高校選抜、2年時にインターハイを制した。近大に進み、卒業後は大阪府警に入るも、プロで世界王者の夢を捨てきれず、今年6月いっぱいで退職。プロの世界に飛び込んだ。それだけに負けられない戦いだった。

年内、12月に予定される興行でもう1戦が予定される。「いい内容でステップを踏んで、次に進みたい。どういう形でも必ずベルトを巻きます」と宣言した。