オカダ・カズチカは涙をこらえられなかった。第1試合開始前の午後5時、今月1日に心不全のため、79歳で死去した団体創設者アントニオ猪木さんの「追悼10カウントセレモニー」に登場すると、目を赤らめて天を仰いだ。
セレモニー後のバックステージでは、猪木さんの死去後初めてとなるコメントを出した。そこで、内に抱いていた思いがせき切ったようにあふれ出した。「なんすかね…。悔しかったですかね。こうやって猪木さんの登場曲を聞いて、(新日本の大会へ)来てほしかったという思いがあります」と、涙ながらに絞り出した。
「びっくりしましたけど…。びっくりしたのが最初ですね」。訃報は遠征先の英国で、朝起きた時に初めて知らされたという。「バカヤローというのが初めて(の思い)ですね。見に来てくれよという思いがあったので…。いや、俺そんな悲しいとは思ってなかったけど…。やっぱり悔しいですね」と、何度もはなをすすった。
過去に対面したのは3度だけ。どんな印象かと問われても「そんなにないですけど…」と話した。だが、伝えたいこと、聞きたいことはたくさんあった。「まだまだもっといろんな話をしたかったな」と、唇をかんだ。
それでも「猪木さんらしいと言えば猪木さんらしいんじゃないか。『バカヤロー。俺はいかねーよ』と言っているのかもしれない。もしかしたら新日本の戦いがもっともっと響いていたら(大会へ)来てくれたかもしれない」と推察。「わからないですけど、向こうでまだまだ見てくれていると思うので、僕たちの戦いで猪木さんが『いっておけばよかった』と思えるような戦いを見せたい」と言い切った。
メインイベントでIWGP世界ヘビー級王座に挑戦することが決まっている来年1月4日の東京ドーム大会は、猪木さんの追悼大会として開催されることが決まった。「猪木さんの名に恥じない戦いをする」と、天に誓っていた。

