WBO世界スーパーバンタム級8位赤穂亮(36=横浜光)が臨んだ前WBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(32=フィリピン)とのスーパーバンタム級10回戦は無効試合となった。同興行は元WBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪氏(31)の「プロモーター」デビュー興行だったが、波乱の展開となった。

興行終了後、伊藤氏は赤穂-カシメロ戦が無効試合となったことに「ショックで、残念です。自分にとって初めての興行で、無事に計量もクリアし、契約としてもろもろクリアし、あとは試合が終わればと思っていたが、まさかの展開になりました」と率直な気持ちを吐露。

ダウンを喫した後、カシメロが猛攻を仕掛け、赤穂への後頭部パンチに至ってしまった展開となり「予想できていなかったですが、たとえ先に議論していても防げないことだと思います。赤穂さん寄りの判断という意見は心外です。誰が見てもカシメロ選手が優位の展開だったので、ノーコンテストというのは本当に残念に思います」と振り返った。

会場はほぼ満員で立ち見の観客も出るほどの盛況ぶりだった。興行としては成功と言えるため「求められているところは評価され、次につながる興行となりました。試合運営については、いろいろとケアできることを考えていきたい」と来年以降の興行継続を見据えた。

赤穂が所属する横浜光ジムの石井一太郎会長は、この興行を韓国のコミッション(KBM)と日本ボクシングコミッションによって統括されていたことを明かした。

同会長は「KBM、JBCのどちらも1番最後の(後頭部パンチ)シーンではなく、試合をさかのぼって見返し、何回も後頭部へのパンチが入っていた、との判断だそう。ただ見ている人には分からない部分もあると思う。カシメロ選手の後頭部へのパンチがあったにせよ、赤穂が招いた部分もあった。赤穂は立ち上がれなかったわけで。ノーコンテストというのはスポーツとしては、そうなのだろうとは思うが」と複雑な心境を口にした。