元WBC世界バンタム級世界王者・辰吉丈一郎(52)の次男、寿以輝(26=大阪帝拳)が9日、大阪市内の大阪帝拳ジムで取材に応じ、2年以上遠ざかる実戦を熱望した。

寿以輝は、20年11月6日に今村和寛(本田F)とのスーパーバンタム級8回戦で負傷引き分け。その後は昨年9月に後楽園ホールで同級8回戦が組まれたが、寿以輝の負傷のため中止。以降、試合が組まれていない。

ジムの方針で寿以輝の負傷に関する具体的な情報は明かされていないが、「タイミングだと思う。自分としてはいつでも試合ができる状況にある」と言った。

当面の目標は長期休養で失った日本ランキングへの復帰。「あせりはあるけど、デビューするまでに18年のブランクがあったから。それを考えたら何てことはない。気持ちは全然、折れていないから」と言った。

現状、具体的な試合予定は見えない。コロナ禍で興行的に苦心が続く状況で、先は見えない。それでも寿以輝は前向き。

「(負傷前は)もう少しで日本タイトルに届くところだった。まず日本ランクに戻して、来年はタイトル戦を狙えるところまでいきたい」

大きな期待を背負う「辰吉Jr.」。プレッシャーも力に変えて、再び世界の山を目指していく。【実藤健一】