WBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が史上9人目の4団体統一に成功した。WBO世界同級王者ポール・バトラー(34=英国)との4団体王座統一戦に臨み、11回1分9秒、KO勝ち。勝負にいった11回、一気にラッシュを仕掛け、顔面とボディーに連打してダウンを奪い、レフェリーストップに追い込んだ。日本初、アジア初、バンタム級初の4団体統一を成し遂げた。

早いラウンドでのKO勝利が多い井上だが、この日は相手が守備的な戦い方に出たことで11回KO勝ち。終始ペースを握り、最後はきっちり仕留めた。映像配信サービス「dTV」のライブ中継で解説を担当した元世界3階級王者の長谷川穂積氏(41)は「すべてを見せて勝つという、誰もが納得いく、来て良かったなと思う試合を見せてくれた」と実感を込めた。

リング上でのインタビューで井上は、「4団体統一まで、この4年間はすごく遠回りした気もする」と話した。この言葉を受けて長谷川氏は「遠回りしたかもしれないけれど、ときに人生には遠回りも必要。いい遠回りになったのでは」とねぎらった。