ボクシングWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(33=志成)がターゲットの眼前でベルト統一を狙う。

31日、東京・大田区総合体育館でWBA世界同級王者のジョシュア・フランコ(27=米国)との2団体王座統一戦を控え、30日に都内で前日計量に臨み、約7年ぶりの全裸でクリアした。対戦を熱望してきたWBC世界同級王者フアン・フランシスコ・エストラーダ(32=メキシコ)が来場することも明らかとなり、ボルテージ最高潮で11度目の大みそか決戦に臨む。

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計量ミスも想定内だった。1回目で約200グラムオーバーした井岡はフランコの計量パスを待った。下着を脱ぎ、15年4月のフアンカルロス・レベコ戦以来、約7年ぶりの全裸で再計量しリミットに到達。井岡は「ギリギリを狙いすぎたかな。家が電子(体重計)なので誤差かなと。最悪、パンツ脱いでいいかなと思っていた」と強調。12秒間、初対面となったフランコとフェースオフ(にらみ合い)し、気持ちを高揚させた。

朗報が入った。約4年前からターゲットに定めたWBC王者エストラーダの視察が明らかになった。17年大みそかに1度引退を表明した井岡は翌18年2月、米国でエストラーダの世界戦を視察。その5カ月後に現役復帰した。以前から「エストラーダを自分の1つの大きな目標に掲げて復帰した」と熱望してきた対抗王者。井岡は「日々、自分と闘い、良い準備をしてきた。自分を信じて闘いたい」と集中力を研ぎ澄ませた。

勝てばエストラーダ戦に向けて前進する。WBOからは180日以内に同級1位中谷潤人(M.T)との対戦指令を受けており、ファン注目の対決が次々と実現する可能性がある。今年は4月の村田諒太(帝拳)-ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)戦を皮切りに12月の井上尚弥(大橋)-ポール・バトラー(英国)戦まで日本勢の統一戦は4度開催。「大トリ」統一戦を控え、井岡は「他選手が統一戦しているのは素晴らしい。盛り上がっているのも事実。今年最後の日に盛り上がる試合でベルトを統一したい」と静かに燃えていた。【藤中栄二】