王座防衛に死角なし。IWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカ(35)が、初の防衛戦となる11日の鷹木信悟(40)戦(エディオンアリーナ大阪)に向け、準備万全ぶりを示した。

前哨戦となった第5試合の8人タッグマッチで激突。王座奪還へ鼻息を荒らげる挑戦者の前で、自らSANADAから3カウント奪ってみせ、チャンピオンの実力を誇示した。

オカダの黄金パターンが容赦なくさく裂した。鷹木の「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の同門、SANADAをマネークリップで失神寸前まで追い込むと、旋回式のツームストンパイルドライバー、そしてラリアットからのレインメーカー(短距離式ラリアット)と必殺技で畳みかけた。11分3秒。選手権張りのムーブで試合を決めた。

試合後は、お互いのベルトを見せつけあう視殺戦を展開。いらだちを隠せない鷹木に対し、その横顔にはどこか余裕も漂った。ここまでタッグマッチの前哨戦の星は伸び悩んでいたが、バックステージでは上機嫌。「鷹木さん、申し訳ない。ずっと連勝してたのに、俺が勝った瞬間に元気なくなっちゃったね。元気でいてほしいよ」と、涼しい表情を浮かべた。

前哨戦は残り2試合。さらにコンディションを仕上げ、レインメーカーが自身のIWGP連続防衛記録12度超えを目指す踏み台にする。