キックボクシング42戦無敗を誇る人気格闘家でプロボクシングに転向した那須川天心(24=帝拳)が9日、日本ボクシングコミッション(JBC)のB級(6回戦)のプロテストに合格した。

東京・後楽園ホールでプロテストを受験し、筆記試験、シャドーボクシング、日本バンタム級1位南出仁(27=セレス)との3回スパーリングを経て即日合格通知を手にした。報道陣との主な一問一答は次の通り

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-ボクシングシューズを履いた感覚は

那須川 最初の頃はすごく違和感しかなかった。今、逆にはだしが違和感で。(父が運営するジムの)TEPPEN GYMでも練習するのですけれど、はだしで動けないです。蹴り方を忘れちゃっています。足の使い方もだいぶ変わりましたね。本当にまだまだ全然、これからですけど、そういう靴を履いてのステップ、踏み込み、動きは全部違いますね」

-ボクサーとしての後楽園ホールは違うか。

那須川 違うっすね。何か漫画でみていた世界じゃないですけど、こうプロテストじゃん、(はじめの一歩の)葉っぱ10枚つかまないといけないじゃん、そんな感じ。

-合格と聞いて

那須川 ここで落ちられないでしょと。マウスピース忘れちゃって、やばいと思って。さっきフィットネスショップ行って買ってつけたんですけど。そういうところ新人らしいですね、自分で言っちゃいますけど。

-筆記試験は

那須川 久びさで、えんぴつを持ったので、おお懐かしいなという感覚でした。点数は97点だったので。今まで取った点数の中で一番良い出来だった。100点ではなかったので、まだ完成ではないというところで97点でいいでしょうと。

-スパーはラウンドごとに意識した

那須川 1ラウンド目はすごい硬かったですけど、ラウンドごとに慣れてきて。ボクシングとキックと違うところは3回全力ではないじゃないですか。ラウンドを追えば追うほど、違った動きをしないと通用しないし。引き出しをみせたり。相手の動きに合わるじゃないですけど。キックの時は相手に合わせようとか一切しなかった。自分の動きをする意識でしたけど。(ボクシングは)自分だけ速くてもダメだし、相手のスピードに合わせることも必要ですし、そういったところがキックと違う奥の深さだなと。練習でも、ずっとスパーはしているんですけど、毎回違うような動きを意識し、引き出しを増やす、手札を増やす、という意識です。

-デビュー戦のイメージある

那須川 まだ、ここまでにしたいというのはないです。できる限り強くなる。その時のマックスができるように。いろんな経験を積んでスパーリングもそうですし、いろいろな選手とスパーリングして、経験したり、吸収したり、また海外でトレーニングしようと思って。昨日より今日ではないですけど、毎日最高を超せるようにしたいです。

-筆記試験。3点たりないのは

那須川 トランクスがスカート状でいい、というのがマルだと思ったらバツでした。キックではOKだったので、その違いを知れたので良い発見でした。

-どこがボクシングの魅力

那須川 キックよりもボクシングがすごいとか全く思っていなくて。両方すごい競技で歴史があり、素晴らしい競技。どの競技でも対応して極められるというところを見せたい。それが僕の一番の動機じゃないですけど気持ちでいますね。

-目標は

那須川 目標はない。誰とか元々ない。自分の存在を高めるじゃないですけど、自分自身、強くして。やっぱり対世間ではないですけど、ボクシング界を盛り上げたいし。世間も盛り上げたいし、尊敬の意味を込めてそう思っています。

-ボクシングで東京ドームの舞台で、というのは

那須川 そういう熱狂を生みたいですね。やっぱり自分の中では、今まで見てくれた代表の試合と聞かれた時に6月の『THE MATCH』(武尊に判定勝利)になると言われると思う。それを超すカードじゃないですけど、熱狂を生んで、また火をつけたいなと。

-階級は

那須川 まだちょっと何キロというのは分からない。バンタムかスーパーバンタムの間かなと思います。

-進化した部分は

那須川 やっぱインパクトだったり、タイミングは全然、違うものができたのではないかなと。だからお客さんとかも『こんなパンチを打てるようになったんだ』とびっくりするようなことはあるかなと思っていて。びっくりさせられる自信はある。