プロボクシング前4団体統一バンタム級王者井上尚弥(29)のいとこで、元日本スーパーライト級王者の井上浩樹(30=ともに大橋)が約2年7カ月ぶりにリング復帰する。

16日の東京・後楽園ホールでパコーン・アイエムヨッド(タイ)とのスーパーライト級8回戦を控え15日、東京・文京区の日本ボクシングコミッションで前日計量に臨み、リミット63・5キロでクリア。パコーンは63・2キロでパスした。

再びプロボクサーとして再出発する井上は「こわいぐらいに順調に調整できました。今までで一番、練習できましたね。変わったところをみせたい。変われる強さ、変わらぬ思い。メンタルのところですね」とテーマを掲げた。

20年7月、永田大士(三迫)との日本王座3度目防衛戦で7回TKO負けを喫した。プロ初黒星で現役引退を表明したが、リングから離れていた間に古傷で悩まされていた腰痛や左手親指付け根痛が回復。井上尚弥の米ラスベガス2連戦のサポートとして一緒に米国に行き、触発された。

引退期間中に知り合った友人に「ボクシングしている姿を見たい」と言われ、尚弥からも「(ボクシングを)やろう」と励まされたことも大きく、昨年2月に所属ジムから現役復帰が発表されていた。

約1年の準備期間を経て、リングに戻る井上は「(準備期間は)有意義な時間になりました。心の整理などすごく自分的にやれた。やるからには世界王者になりたいですね」と静かに燃えていた。

いとこ2人は年内中に再び世界の挑戦を目指す。尚弥はスーパーバンタム級に転向し、世界4階級制覇を狙う。拓真(27=大橋)は4月8日、東京・有明アリーナでWBA世界バンタム級王座決定戦を控える。いとこ2人にも刺激を受け、井上がリスタートする。