元2階級制覇王者で「亀田3兄弟」の三男、WBA世界スーパーバンタム級2位の亀田和毅(31=TMK)が、ジム移籍初戦をTKO勝利で飾った。WBA同級13位ルイス・カスティージョ(27=メキシコ)と対戦し5回1分18秒TKO勝ち。和毅の戦績は40勝(22KO)3敗となった。

試合後の和毅は苦笑いだった。「レフェリー、ちょっと早いよって感じですかね。もうちょっとやりたかった」。開始直後は相手の動きを見極め、4ラウンドから左ボディーからの攻めに手応えを感じていた。仕留めにいった5回。流血で顔面を赤く染めたカスティージョをダウンがないままレフェリーが止めた。

カスティージョが難聴という事情もあり、レフェリーの早めの判断だった。和毅は「10ラウンド戦うつもりだった。自分は1発というより(ダメージの)蓄積で倒す。右が当たり出していたんで、これからという感じだった」と振り返った。

WBA同級王座の次期挑戦権を得ており、4月8日に米国テキサス州オハイオで開催予定のWBAスーパー、IBF同級王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と指名挑戦者のIBF1位マーロン・タバレス(フィリピン)の勝者への対戦交渉を進める。和毅も現地で試合を観戦予定だ。

「必ずチャンピオンになります」。“モンスター”井上尚弥や“神童”那須川天心の参戦で最も脚光を浴びる階級のてっぺんへ、まずは前段階をクリアした。【実藤健一】