プロボクシング前WBO世界フライ級王者で現WBO世界スーパーフライ級1位の中谷潤人(25=M.T)が世界2階級制覇に備え、南国での合宿で心身の「スイッチ」を入れる。

今春、海外で予定される同級2位アンドリュー・モロニー(32=オーストラリア)との同級王座決定戦を見据え、3日には沖縄に向け出発。4日から4日間の強化合宿を行。中谷は「沖縄は好きな場所ですし、いい環境でトレーニングできると思う。ここらへんで(モロニー戦の)スイッチを入れていければ。しっかり土台をつくりたい」とテーマを掲げた。

中谷にとって沖縄は人生観が変わった思い出の地となる。中学3年の時、沖縄・読谷村にあるチビチリガマを訪問し、戦争で多くの命が奪われた悲しみ、平和への思い、そして命の大切さを痛感したという。その後、案内役の担当者との交流が続き、昨年12月にも同地を訪問。自らも修学旅行生たちに講話を通じて命の大切さを伝えている。

中谷は「(案内役の)話を聞いて考え方、自分の生きている大切さを教えてもらい、気持ちに入る修学旅行でした。今回の合宿でも気合が入るかなと思います」と口元を引き締めた。

沖縄での4日間は、走り込み中心となるものの、ジムワークも並行して行うという。沖縄合宿後には神奈川県内の所属ジムも戻って実戦練習を継続する中谷は「スパーリングをしっかり積んで(実戦)感覚を養いながら(消化する)ラウンド数を上げていけたら」との青写真を描いた。モロニーとの王座決定戦の正式発表を待ちながら、着実に世界2階級制覇への準備を進めていく。【藤中栄二】