「スピードスター」と呼ばれる東洋太平洋フライ級王者桑原拓(27=大橋)が51秒殺でノンタイトルの「王者対決」を制した。メキシコ同級王者ホセ・リバス(29)との51・5キロ級契約体重8回戦に臨み、1回0分51秒、TKO勝ちを収めた。

王座獲得後初試合が秒殺勝利となった桑原は「王者としての初試合なので成長した姿をお見せしたいと思っていた。仕留めにいくところをみせられて良かった。本当はもっとじっくり行く予定でしたし、距離遠いなと思ったら踏み込んでみたらタイミング良く当てて効いてくれた」と納得の表情を浮かべた。

1回に左フックでダウンを奪うと、再び左フックで相手顔面を打ち抜き、キャンバスに沈めた。23年初戦で快勝劇をみせた桑原は「次のステージにいくためにはこういう試合も勝たなくてはいけない。世界に向けてこのまま突っ走っていきたい。世界にむけてチャレンジしていきたい」と気持ちを引き締めた。

昨年10月の東洋太平洋同級王座決定戦で世界ランカーのジーメル・マグラモ(フィリピン)を下した桑原は当初、同級2位エイプリル・ジェイ・アブネ(フィリピン)との指名試合が決まっていたが、相手陣営の手続きミスで実現できず。大橋秀行会長(58)にスタンバイされた代役はアブネよりも実績、経験が豊富なメキシコ人王者となったが、鮮やかな秒殺劇を演出した。

現在、世界ランキングでもWBA6位を筆頭にWBC10位、IBF11位に入っている。アジア圏外のボクサーとの初対決で圧倒的な強さをみせ、近い将来の世界挑戦を射程にとらえていた。