47戦無敗の人気格闘家でプロボクサーに転向し、デビュー戦を白星で飾った那須川天心(24=帝拳)が8月のビッグ興行の「顔」として2戦目に臨むことが9日、分かった。

所属ジムの本田明彦会長(75)が明かしたもので、対戦相手は未定ながら複数の世界戦が組まれる首都圏開催の大イベントで「興行のメイン」としてリングに戻ってくる予定だ。那須川は同日、都内で一夜明け会見し「強いやつと戦いたい」と最強を目指す意思を強調した。

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日本ランカーからダウンを奪い、大差判定勝ちを収めた那須川に早くも大きな舞台が用意される。8日、東京・有明アリーナで日本バンタム級2位与那覇勇気(真正)を下し、白星デビューを飾ったことを受け、8月に首都圏で計画するビッグ興行で2戦目が組まれる。所属ジムの本田会長は「複数の世界戦と一緒に那須川の次戦を組むことになる。メインイベントではないが、興行のメイン(顔)になる」と明かした。

次戦はB級(6回戦)ながら特例による8回戦も計画される。転向後のスパーリング数は7回が最長のため、5月には千葉県内で1週間程度の走り込み合宿に入る予定。9日に都内で一夜明け会見に臨んだ那須川は「走り込み合宿はやったことがないので楽しみ。ラウンドも増えるので対応できるようにやっていきたい」と意欲満々だ。

日本ランカー撃破の白星デビューで、史上最速タイとなるプロ3戦目の世界王座奪取という夢もつながった。5月の日本スーパーバンタム級ランキングで5~7位に入る見通しで、日本王座に挑戦できる立場になる。また、次戦で世界ランカーに勝てば世界ランク入りも可能。元WBC世界スーパーライト級王者サンセク・ムアンスリン(タイ)が達成した3戦目の世界王座獲得も不可能ではない。

対戦相手や条件など不確定要素は多いが、那須川には格闘技の「運」もある。「強いやつと戦いたい。強さを求め、強いやつを全員倒せるように」。8月のプロ2戦目決定を楽しみに待っている。【藤中栄二】