プロボクシングWBC世界ミニマム級暫定王者の重岡優大(26)と、弟でIBF世界同級暫定王者の銀次朗(23=ともにワタナベ)が、『4団体統一』『連続防衛記録更新』『複数階級制覇』を兄弟で達成することを将来の目標に掲げた。16日に東京・代々木第2体育館で行われたダブル世界暫定王座決定戦でプロボクシング史上初の兄弟での同日同階級世界王座獲得に成功。一夜明けた17日、東京・品川区のワタナベジムで一夜明け会見を行った。

8月予定の正規王者との統一戦の交渉はこれからスタートするが、2人はその先の青写真も描いていた。身長153センチの銀次朗は「ミニマム級が適性階級だと思っているので、この階級でできることは何でもやる。アニキが階級を上げれば隣のベルト(WBC)もほしいし、WBO、WBAもほしい。そして最終的に防衛回数記録を塗り替えるのがボクシング人生の目標」と、4団体統一と元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高氏の持つ13連続防衛の日本記録更新を目標に掲げた。

一方、160センチの優大は「ライトフライ級には絶対に上げます。今は無理なく(体重を)落とせるけど、キャリアを積むと体もできてくるので上げる時期がくる。フライ級までいけるかもしれない。その意味で楽しみです」と、将来的な目標として複数階級制覇を見据えていた。

16日の世界暫定王座決定戦では、優大が元WBO同級王者ウィルフレド・メンデス(26=プエルトリコ)に7回KO勝ち。銀次朗も前IBF世界同級王者のレネ・マーク・クアルト(26=フィリピン)を9回KOで仕留めた。試合後は家族と一緒に食事。地元熊本からは多くのお祝いのメッセージが届いた。「(熊本地震の本震の日に)試合後から熊本の人たちから多くのメッセージが届いた。プレッシャーもあったけど、何とか勝っていいニュースを届けることができた」と銀次朗。2人は週明けにも熊本に帰省。正規王者との統一戦に向けて5月中旬から本格的な練習を再開する。