亀田興毅氏は、乗りに乗っていた。17日の一夜明け会見で、ベルトを手にした重岡兄弟と同席。次回3150FIGHTは8月11日にエディオンアリーナ大阪で実施し、そこで重岡兄弟によるダブル統一戦を実現させる強い意欲を示した。

当初は今回、ともに正規のタイトルマッチとなるはずだった。しかしWBC王者パンヤ・プラダブスリ(タイ)は直前にインフルエンザに感染、IBF王者ダニエル・バラダレス(メキシコ)は左鼓膜の負傷を訴えて対戦を回避した。

興毅氏は「入札になるかもしれない」と見通しを語り、「ハードな交渉になるかもしれないが、全張りの亀田でいきますよ。何が必要か、マネー以外ない。浪速の闘拳の根性で、フルベットで必ず日本に持ってくる」と気合を示した。入札となれば、大金を投入したもの勝ち。興毅氏は「そこで譲られへん。絶対に勝ちますよ」。各陣営は地元のタイ、メキシコでの開催ももくろむが、譲れない戦いがそこにあると強調した。

プロモーターの熱い意気込みを受け、WBC暫定王者の優大は「まだ暫定。正規王者を倒して、お世話になった方々に恩返ししたい」。弟のIBF暫定王者銀次朗も「昨日は“3150(サイコー)”な1日だった。(バラダレスには)悔しい思いをさせられた。もっとレベルアップしてレベルの差を見せつけたい」と語った。

興毅氏は「3150で重岡兄弟が世界王者になってくれて感謝している。今後もそういう舞台を作って支えていきたい」と誓う。金やない、気持ちやんか。新たなプロモーター像で定石を打ち破っていく。【実藤健一】

◆暫定王者 正規王者が負傷など正当な理由で防衛戦ができない場合、暫定的に設置する王座。暫定王者は防衛戦を行うことができ、正規王者の復帰後は、両者で王座統一戦を実施することが原則となっている。

◆ダブル世界戦VTR 4月16日、東京・代々木第2体育館で開催。IBF世界ミニマム級暫定王座決定戦は同級4位の重岡銀次朗が、元同王者で同級3位クアルト(フィリピン)に初回ダウンを喫しながら左ボディー攻めで3度のダウンを奪い、9回2分55秒逆転KO勝ち。メインのWBC世界同級暫定王座決定戦は同級3位の兄・優大が元WBO王者で同級7位メンデス(プエルトリコ)に7回25秒KO勝ちした。兄弟の同日、同階級の戴冠は初の偉業となった。