亀田3兄弟を世界王者に育てた父の史郎氏(58)に先月、日本ボクシングコミッション(JBC)からトレーナーライセンスが交付されていたことが9日、分かった。早ければ11日にエディオンアリーナ大阪で開催の「3150FIGHT」で国内では約16年ぶりとなる現場復帰を果たす。

史郎氏は07年10月、次男・大毅(現KWORLD3ジム会長)が世界初挑戦した内藤大助戦での度重なる反則を指示したとして、JBCからセコンドライセンスの無期限停止処分を受けた。さらに10年4月、長男・興毅(現プロモーター)がポンサクレックを相手に初黒星を喫したWBC世界フライ級統一戦後の発言をめぐりJBCから資格取り消し処分を受けた。JBC管轄の施設への立ち入りを禁ずる事実上の「追放処分」という厳罰だった。

亀田家は「息子として父の名誉は回復してあげたい」という興毅氏を中心に“おやじ”の復権へ動いてきた。2年前に史郎氏のトレーナーライセンスを申請。また昨年2月に亀田3兄弟が国内で試合ができなくなったと訴えた控訴審判決で亀田側がJBCに勝訴。過去の“闇”を晴らす流れで史郎氏の復権もかなった。

トラブルもありながら、WBCからトレーナーベルトを授与されるなど指導者として史郎氏の評価は高い。史郎氏は「16年、長いなあ。俺にできることを精いっぱいやらせてもらうよ」とコメント。亀田プロモーションは組織強化へ元トヨタ自動車専務の井上氏、元兵庫県警の山本氏を顧問で招いた。長い空白をへて再集結の亀田家が一丸となりボクシング界の「3150(再興)」を図る。