プロボクシングWBA世界フライ級1位ユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)が11月15日、東京・両国国技館で同級王者アルテム・ダラキアン(36=ウクライナ)に挑戦する。同興行はWBA世界バンタム級王者井上拓真(27=大橋)が同級6位の元IBF世界スーパーフライ級王者ジェルウィン・アンカハス(31=フィリピン)との初防衛戦に臨むカードとのダブル世界戦となる。ユーリ阿久井は「日本で行われるのはありがたいし、何としても一発で取りたい」と強い意気込みを示した。
18年2月の王座獲得から約5年半かけて6度防衛成功中の無敗王者ダラキアンはウクライナ・キーウ(キエフ)を拠点としている。また同興行はロシアの侵攻に苦しむウクライナ支援チャリティーマッチとして同国人支援に貢献する活動を行う予定。ユーリ阿久井は「ダラキアン選手はウクライナが大変な中、日本に来ていただき、感謝しています。期待に応えられるようにベストを尽くしたい。アマチュアもしっかりやっていて、非常にやりにくい選手。自分のベストを尽くすことに集中したい」と王者に敬意を表した。
妻と娘2人(3歳と10カ月)の存在の大きさを口にしたユーリ阿久井は「(3歳の)娘から『ボクシングが上手』と言われるようになった。やっぱり家族が支えです」と強調。10月から約3週間、東京でスパーリング遠征を計画しており、その際も宿泊先でサポートしてもらう期間もあるという。ユーリ阿久井は「どの王者も強いし、どの王者も一緒。無敗王者であっても、気負うこともない」と強い決意を示した。
プロ戦績は18勝(11KO)2敗1分のユーリ阿久井は19年以降は6連勝中。1回KO勝ちが9回という強打の持ち主。19年10月に獲得した日本フライ級王座を3度防衛成功後に王座返上。世界挑戦への準備に入っていた。
◆ユーリ阿久井政悟(あくい・せいご)1995年(平7)9月3日、岡山・倉敷市生まれ、元プロボクサーの父一彦氏らの影響で中学2年から倉敷守安ジムでボクシングを開始。倉敷翠松高2、3年で国体ベスト8入り。アマ戦績は20勝7敗。環太平洋大体育学部在学中の14年4月、4回判定勝ちでプロデビュー。15年全日本ライトフライ級新人王。19年9月、日本フライ級王座獲得。元WBC世界フライ級王者勇利アルバチャコフ(協栄)に顔が似ていることから「ユーリ」がリングネームに。家族は夫人と2女。身長164センチの右ボクサーファイター。