プロボクシングWBA世界バンタム級王者井上拓真(27=大橋)が11月15日、東京・両国国技館で、同級6位ジェルウィン・アンカハス(31=フィリピン)との初防衛戦に臨む。WBA世界フライ級1位ユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)が同級王者アルテム・ダラキアン(36=ウクライナ)に挑戦するカードとのダブル世界戦で、27日には都内のホテルで会見に臨んだ。
今年4月、リボリオ・ソリス(ベネズエラ)とのWBA世界バンタム級王座決定戦に判定勝利した井上にとって王座に返り咲きして以来、約7カ月ぶりのリング。井上は「前回の決定戦で王者になることができ、自分自身、ここからがスタート。兄(尚弥)に続く統一王者になるために頑張っている。ここはひとつ頑張って防衛したい」と強い意気込みを示した。
世界戦では自身初となるメインイベンターを務める。井上は「試合内容、自分の真価が問われると思う。相手もパワーがあり、(IBF世界スーパーフライ級で)9回防衛している相手。それ以上に上回る技術を出して勝ちたい。今の目標は兄の返上した4つのベルトを集めること、勝って次に向かいたいと思う」と目標を掲げた。
アンカハスは元IBF世界スーパーフライ級王座を9度防衛成功した実績を持つ。スーパーフライ級時代はWBA世界同級王者井岡一翔(志成)が対戦を希望。コロナ禍で中止となったものの、21年大みそかには王座統一戦も決まるなど同級のビッグネームの1人とされてきた強豪となる。世界4階級制覇王者の兄尚弥からは「とりあえず相手は強いのだから何が何でも勝てよ」と猛烈がゲキを飛ばされているという。井上は「自然と『魅せ』られる試合になると思う。楽しみにです」と気持ちを高揚させていた。