プロボクシングWBA世界バンタム級王者・井上拓真(27=大橋)が30日、東京・墨田区のすみだまつりでトークイベントに臨んだ。11月15日、東京・両国国技館で同級6位ジェルウィン・アンカハス(31=フィリピン)との初防衛戦を控え、試合会場のある墨田区のイベントに登場。大きな声援を浴びながら、過去にIBF世界スーパーフライ級王座を9度防衛したアンカハスとのV1戦に向けての意気込みを示した。
世界4階級制覇王者井岡一翔(志成)ともライバル関係にあったアンカハスについて「自分にとっても過去一強い相手。そういう相手の方が燃える」とうなずいた。自身4度目となる世界戦で初めてとなるメインイベンターを務めるため「熱く盛り上がる試合をしたいと思っている」と宣言すると、会場から大きな拍手が巻き起こった。
メインを務める自覚と責任をみせつつ、元V9王者を仕留める理想の展開も明かした。井上は「カウンターで沈めるのが理想。そうできるように頑張りたい。理想は左フックで、その練習もしている」とフィニッシュブローまで口にした。
またファンからの質問コーナーにも応じ、もし世界4階級制覇王者の兄尚弥と戦うとしたらどんな試合をするか?との問いに対し「徹底してアウトボクシングをして勝ちに行きます」と“夢対決”をイメージしながら説明。評価の高い兄を持つ弟の苦しみを持つファンから「劣等感はあるか」と問われると「偉大な兄なので。比べられ、自分は倒せないでいるモヤモヤ感はある。ただ人間対人間なので、兄みたいに倒すのは難しい。ディフェンスが良いので、それを生かして自分の色に染めてつくっていこうと思っている」と率直な心境も口にしていた。