今日4日の新日本プロレス東京ドーム大会「WRESTLE KINGDOM18」で行われる「NJPW WORLD認定TV選手権試合」で王者ザック・セイバーJr.に挑むのが、昨年暮れに新日の新社長に就任した棚橋弘至(47)。昨年12月26日の就任会見では思いを語った。
棚橋新社長はまず3つの目標を示して、今後の新日本プロレスの方向性を示した。
目標(1)は「東京ドーム大会を超満員にする」。棚橋新社長は「東京ドームの超満員のお客さまの中で花道を歩くっていうのはレスラーにとって誉れ。それを今いる選手にも経験してほしい。それがその後のレスラー人生に大きな影響を与えると思います」と説明。その姿がファンにとっても良い思い出になると強調した。
(1)を成し遂げるための方法が目標(2)の「地方でのタイトルマッチをどんどん増やしていく」。現役レスラーとして感じてきたことをふまえ「地方大会が超満員にならないと、東京ドーム大会も満員にならない。日本全国のプロレスファンの熱量が高まって、初めて東京ドームが満員になる。それを改めてやっていきたいと思います」と話した。
最後の目標(3)は「スポンサーとのパートナーシップの強化」。棚橋新社長は「新日本プロレスがより一層、羽ばたくためには強力なタッグパートナーが必要だと考えています」と力を込め、選手兼任という強みを生かし、自ら先頭に立って興行のプロモーションを行っていく姿勢を示した。
以下は棚橋新社長の就任会見での主な一問一答。
-社長就任の打診はいつ?
棚橋 今年の11月ですね。僕も、まだ世界ヘビーのベルトも取ってませんし、まだまだ鍛え直してっていう思いはあったんですけども、(社長と)同時にやってこそ逸材じゃないかと。少し考えた後、ぜひやらせていただきますということでお伝えして、現在に至ってます。
-まったく経験のない社長業だが
棚橋 オーナーの期待に応えられるように日々新しい知識、経験を身につけながら、頼りにされる、そんな存在になりたいです。あと本で読んだんですけど、日本の経営者には血液型O型が非常に多いということで、僕はO型なので(経営者に向いているということを)示したいと思います。
-社長になってもトップセールス的な形で営業に力を注ぐのか
棚橋 東京にいるときは出社して、社長業というのもやっていきたいですし、プロモーションというのも先頭に立ってもう一度やろうと思っていますけども、やっぱり僕がやるのもちろんそうなんですけども、所属選手がとても多いので、このオフの時期に選手が次のシリーズの大会の地におもむいて、プロモーションをしてやっていくことで、僕1人でやってた時代よりも何倍もの効果があると思いますので。そういった事も選手にお願いしていこうかなと考えています。
-棚橋新社長は自分のことより他者のこと、団体のことを考える気質だ思うが、自分ではどう考えているか
棚橋 レスラー生活の中で、いくつかの気づきがあったんですけども、試合中に力が出る瞬間っていうのが、最終的に自分が勝ちたいとか目立ちたい、格好良く見られたいというエネルギーよりも、ファンの方の応援に応えたり、見てもらって楽しんでもらいたいっていう、誰かのために何かを頑張るときの方が力が出るという、そういう考えがありまして。だからこれから社長業も、ファンの皆さまのために、新日本の社員のために、そういう思いでやっていきます。
-社長と選手の両立は大変だと思うが
棚橋 レスラー生活と事務所仕事っていうのは続けてみないとわかんないんですけども、周りにサポートしてくれる心強いメンバーもいますし、僕は何より、疲れないので大丈夫だと思います。
-新日本プロレスの現段階での課題は
棚橋 これはなかなか難しいことなんですけども、ファンの皆さんがどういった新日本プロレスを見たいか。僕はやはり試合終わった後に楽しかったね、面白かったねと、そしてその後、めし食いながら、酒飲みながら余韻に浸れるようなプレスっていうものを、自分でも観戦してそういう良い思い出がたくさん残ってますし。プロレスを観戦して、それをエネルギーに変えて家に持って帰ってもらえるような、見に行って良かったなと思ってもらえるような、ものにしていきたいなと思って、考えています。
-社長就任を選手に伝えた時の各選手反応は
棚橋 選手に伝えたのは最終戦ですね。(12月)22日の後楽園ホールの試合終了後に伝えたんですけども、みんなもびっくりして、そんなにリアクションってのはなかったですね。これからいろんな反応が出てくるんじゃないかなと思うんですけども。僕の感覚ですけども、好意的に迎えられたんじゃないかなと思ってます。自分よりキャリアが上のレスラーには頑張ってと言われました。
-アントニオ猪木氏に伝えたいメッセージは
棚橋 やはり猪木さんが思い描いたプロレスというもの、プロレス会場というものを僕としては、こうなんだろうなとイメージすることしかできませんけども、新日本プロレスが超満員で盛り上がっていたら、天国から見てくれてるであろう猪木さんも喜んでくれると思います。
-00年代の苦しい時代に営業課と一緒に地道なプロモーション重ねていった経験や、コロナ禍での苦しい中でトップスターとして体を張った経験などをどのように生かしていきたいか
棚橋 常に少し先の未来を見る能力というか力というか、僕もプロモーションをやりながら経験したことがあって。やはりプロモーションをやっても、その効果っていうのは、少し遅れてくるんですね。これは僕は「3年後理論」と言っているんですけど、プロモーションを本格的にやり始めたのが2006年。初めてIWGPのチャンピオンになって、コツコツ06年、07年、08年、09年と続けていって、06年のプロモーションが09年、09年のプロモーションが12年と、少し遅れてくるんですけども、すぐ手応えは感じられないかもしれないけども、プロレスの熱はじわり、じわりと伝わってくんだという経験がありますので、その辺も選手に伝えていければ。
-新日本プロレスがさらに成長していくには
棚橋 これもやっぱりファンの頃の経験なんですけども、応援している選手が勝つとうれしい。僕も頑張ろうという思いになる。これはその当時まだ「推し」という文化がなかったんですけども、推している選手が頑張ってる。勝ってる、タイトルを取ったとなってくると、やはり応援してくれたファンの人もエネルギーをもらえて、力になるっていうところがありますので。その会場の熱量をライブ、現地で観戦する、映像配信でも広く伝えていって、日本を元気にできたら。
-社長レスラーならではの強みは
棚橋 やはり営業活動が強みになるかなと思います。引退後もできないことはないんですけども、やはりこの現役であるというところのメリット、地上波の番組に出たり、雑誌、ウェブに取材していただいたりとか、自分自身が日本全国走り回って営業できる。プロモーションかけられるっていうところが一番の強いかなと思います。
-リング上の光景は変わるのか
棚橋 現役生活についても考えてるところはあります。ありますけども、まだ(IWGP)世界ヘビーを巻いてないので、それがやっぱり一つのモチベーションになってます。僕はプロレスっていうジャンルは、社長を殴れる唯一の競技だと思ってますので。集中的に狙われるかも知れないですけど「何コラ、社長だぞ」って言わずに、プロレスという競技で勝負したいと思います。

