現在52歳、来年にはデビュー30周年を迎えるアレクサンダー大塚が、21日のストロングスタイルプロレス(SSPW)後楽園ホール大会で、間下隼人が持つレジェンド王座に挑戦する。SSPWが21日までにアレクのインタビューを公開した。

-ストロングスタイル3・21後楽園ホール大会で間下隼人選手が保持するレジェンド王座に挑戦する。勝てば第3代王者時代(08年12月~09年10月)以来、じつに14年ぶり

アレク いま現在の僕のプロレスキャリアの中で持ったことがある唯一のベルトになるんですよ。

-シングル・タッグを問わず、他のベルトを巻いたことはない

アレク ないですね。バトラーツ時代にリーグ戦で優勝とかはありましたけど、ベルトというものに対しての欲がなかったのもあるし、僕自身がプロレスファンではなかったというのもあったのかもしれないですけど。

-そんなアレク選手が唯一取ったのがレジェンド王座だと

アレク やっぱり初代タイガーマスク、佐山サトルという偉大なレスラーを尊敬しているのは間違いなくありますね。その佐山さんが創設されたストロングスタイルプロレスのチャンピオンベルトということで、自分のなかで重き思いを抱くことができたんだと思います。

-2・16川崎大会で王者の間下選手から勝利し、14年ぶりのレジェンド王座挑戦を表明。カードが組まれた時点でベルト挑戦という意識はあったか

アレク 正直なかったです。自分はいまどこかに所属することもなく、フリーとして過ごしてきて。そのなかでストロングスタイルプロレスではレギュラー参戦させていただいて。コロナ禍の20年には自分の25周年記念試合として船木(誠勝)さんとのシングルマッチを組んでいただきました。記念試合や記念興行がなかなか難しいコロナ禍で、入門テストをマンツーマンで見ていただいた船木さんとシングルマッチさせていただいたんですけど、しょっぱなの蹴りで思いもかけないケガをしてしまって。それまでそんな大きなケガなんてしたことなかったんですけど、腕を骨折して…うまく言えないんですけど、端的に言えばあの時、アレクサンダー大塚ってこんなもんかなっていう気持ちがあったんですね。

-自分自身へのもどかしさ

アレク はい。そんな自分がありつつ、復帰してからはストロングスタイルプロレスに出ることもなく。ただ記事で間下君がチャンピオンになったっていうのを見て、ようやく報われたかと。泥水すすってきてたのを見てきたつもりなので、あの間下君がチャンピオンになったっていうので自分にとっても元気をもらえたし。

-今年1月15日のアレク自主興行では間下選手とタッグを組んだ

アレク じつは自分が勝利したら、「もしチャンスがあるならば間下くんが持ってるそのレジェンドチャンピオンシップのベルトに興味がある」みたいなことを言おうと思ってたんです。ただ、プロにあるまじきなんですが、自主興行だったのもあって感情が高ぶってしまい、開始から泣いてしまったりして、そんなことを言える状態じゃなくなってしまったんですね。そしたら2月16日、しばらくストロングスタイルに出てなかったのに、川崎大会に急きょ声をかけていただいて。しかも対戦カードを見たらストロングスタイルプロレス、佐山さんの直弟子であるスーパー・タイガー選手、間下選手とタッグ対決だと。

-ここはチャンスだと

アレク いえ、自主興行の時チャンスを逃したこともあって、その時は挑戦するなんて気持ちはまったくなくて、目の前の試合を一生懸命闘おうと。そしたら結果として間下選手に勝つことができた。自分もあっけにとられてしまったなかで、思わず言ってしまったっていう感じだったんです。

-なるほど。成長した王者・間下隼人と対戦して、成長や変化は感じた

アレク 感じました。体も大きくなってましたし、佇まいから違ってましたね。

-それはチャンピオンの佇まいでしょうか

アレク う~ん、どうなんでしょう。これはチャンピオンに申し訳ないですけど、じつは当時、自分自身似たような思いを抱いたことがありまして。チャンピオンになった間下隼人という選手は、自分のやるべきチャンピオンであったり、佐山さんの弟子である彼が「自分がチャンピオンなんだ」というところにドンドン気づいていって(王者像を)いままさに築き上げているという感じを抱きました。

-現在、初代タイガーマスク、佐山先生はメニエール病で欠場中。そこも間下選手が責任感や使命感を抱く部分につながる

アレク (間下の強さは)そこも含めてなのかなというのは感じます。僕自身もチャレンジャーの立場ではありますけど、間下選手をより一層強く、大きくするために佐山さんからチャンスをいただいたのかなと。たぶんもう下り坂にいるアレクサンダー大塚かもしれないですけど、佐山先生の教えと思い、必ず勝ちます。

-ファンのなかには、キャリアや年齢、現在の立ち位置を考えて、アレクサンダー大塚でベルトが取れるのか? と懐疑的な視線を向ける人もいるかも

アレク それはもういろんな目で見ていただいて結構です。

-それを見返す自信は

アレク その答えを出すのがプロレスだと思うので。

-リングで答えを出す

アレク そうですね、はい。

-間下選手も会見で言及したが、98年10月11日「PRIDE4」(東京ドーム)でのマルコ・ファス戦にアレク選手は勝利。一夜にして世間の見方を変えた。今回も間下選手に勝ってベルトを巻けば「下り坂」的な見方を変えることができる

アレク ホントそうですね。それは周りにもそうだし、何より自分自身に対しても。皆さんからよく言っていただくんですけど、僕がアレクサンダー大塚で、AOというイニシャルで、そのなかで"AO"cornerという入場曲と出会って、自分は人生において死ぬまでチャレンジャーで生きていくことが大切なんだなというのを月日とともにドンドンドンドンわかってきた。だからこそ今回も力強いチャレンジャーでタイトルマッチに臨み、またチャンピオンになりたいなと思っています。

-間下選手に勝利し、ベルトを巻いたらどんなチャンピオンロードを歩みたい

アレク 来年自分自身がデビュー30周年になるので。今回ベルトを取って、チャンピオンで30周年を迎えられたらそんなにうれしいことはないかなと思いますね。

-ベルトへの意欲がないと公言するアレク選手が挑戦表明し、ベルトを巻いた先のことまで考えられるのがレジェンド王座のベルト

アレク 繰り返しになってしまいますが、やっぱり尊敬する佐山さんが創設された団体のベルトだからです。それに自分が着けていた時のベルトとは(デザインが)変わって、すごくゴールドになっていて。新しいベルトも巻きたいなと思います。自分があのベルトを巻きたいし、巻いた姿を皆さんにも見てもらいたいです。あっ! 1月15日の浅草三人祭の勝利者賞、末ッ子のギョーザ110人前をまだ間下選手と行けてないので、このレジェンド王座のタイトルを僕が取って! タイトル奪取の祝勝会も兼ねたいですね。

 

◆3月21日後楽園ホール大会対戦カード◆

▼Wメインイベント・レジェンド選手権試合60分一本勝負

第17代王者・間下隼人(ストロングスタイルプロレス)

VS

挑戦者・アレクサンダー大塚(AODC)

▼Wメインイベント・女子タッグ王座戦60分一本勝負

王者組・ジャガー横田(CRYSIS/ワールド女子プロレス・ディアナ)&藪下めぐみ(CRYSIS/フリー)

VS

挑戦者組ダーク・タイガー(DarkerZ)&ダーク・チーター(DarkerZ)

▼第4試合6人タッグマッチ30分一本勝負

スーパー・タイガー(ストロングスタイルプロレス)&船木誠勝(フリー)&ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)

VS

ダーク・ウルフ(DarkerZ)&村上和成(フリー)&関本大介(大日本プロレス)

▼第3試合タッグマッチ30分一本勝負

タイガー・クイーン(ストロングスタイルプロレス)&雪妃真矢(フリー)

VS

Sareee(フリー)&本間多恵(フリー)

▼第2試合タッグマッチ30分一本勝負

関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)&日高郁人(ショーンキャプチャー)

VS

澤田敦士(無所属)&政宗(フリー)

▼第1試合シングルマッチ30分一本勝負

野崎渚(フリー)

VS

柊くるみ(プロミネンス)