WBOアジア・パシフィック・スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦が行われ、挑戦者の同級1位・斎藤麗王(27=帝拳)が新王者となった。初防衛戦だった同級王者・渡辺海(22=ライオンズ)に挑み、3回2分2秒、TKO勝利。1回に2度ダウンを喫すと2回以降から猛反撃。ロープ際に追い込んで連打を打ち込み、3回には「勝ちへの執着はどこの誰よりも強い。勝つつもりでいた」と回転力あるノンストップ連打で攻め続け、レフェリーストップに追い込んだ。
大逆転TKO勝ちで王座初挑戦でベルトを手にした斎藤は安堵(あんど)の表情。「勝って良かった。試合前にベルトはおまけと言ったんですけど、やっぱうれしいですね」。1回に2度ダウンし、2回には終了ゴング後の打撃で減点1と劣勢に立たされていただけに斎藤は「いくしかないと思っていた」と3回に勝負をかけて仕留めにいった。
今年3月、入院していた祖母が亡くなったという。コロナ禍で直接会えないまま「プロになっていたことも直接は伝えていなかった」。タイトル初挑戦のコスチュームは祖母の好きだった紫、そして黒を合わせたカラーに。斎藤は「背中には『心豊かにしなやかに』とばあちゃんが好きな言葉を刺しゅうした。勝利をささげられたことがすごくうれしい。ベルトは見せられなかったですけど、勝ったよと報告したい」と来週には故郷・宮崎に戻って墓前に伝える予定だ。
高校6冠を達成し、名門の東京農大に進むなどアマ戦績70勝11敗。期待のアマエリートとして期待されていたが、プロ5戦目の24年1月に初黒星を喫した。同門のアマエリートが次々と無敗で王座を獲得する中での1敗を重くとらえ「引退も考えましたしボクシングにやる気がなくなった」と振り返る。1カ月ほどボクシングから離れたが「(自分と向き合い)生まれ変わって。プロフェッショナルを感じたところもある」と前向きに切り替えて再起してきた自負もある。
斎藤は「もっと上を目指したい。アジアランカー、日本ランカー、面白い燃えるカードはたくさんあると思う。今はちょっと休みますけど。世界ベルト取れるように精進していきたい」と自身の未来像を見据えていた。【藤中栄二】

