IWGPヘビー級王者・棚橋弘至(35=新日本)が、日刊バトル大賞プロレス部門の最優秀選手(MVP)に輝いた。読者が選ぶ「第16回日刊バトル大賞」は、今日20日からプロレス、総合格闘技、ボクシングの3回に分けて発表する。プロレス部門のMVPは得票率35%を獲得した棚橋が受賞。IWGP王座史上最多タイの10連続防衛を果たした“100年に1人の逸材”は、来年1月4日の東京ドーム大会で新記録のV11を狙う。

 リング同様、棚橋は読者投票でも圧倒的な支持を得た。得票率35%は2位秋山準(ノア)の15%を大きく引き離す。スポーツ紙、専門誌担当記者が選ぶ「プロレス大賞」に次ぐ2冠だ。

 年初の東京ドーム大会で5度目のIWGP戴冠。1年間守り通し、新日本、プロレス界をエースとして引っ張った。8月の合同チャリティー「ALL

 TOGETHER」でもメーンを締めた。「苦しい1年だった。でも、それが充実感となった。苦しみのトンネルを抜ける度に、新しいステージが広がるのがたまらなかった」と振り返った。

 有言実行の男。高い目標を口にして、クリアする。試合とプロモーションで月に2日しかオフがなくても、年間300日のトレーニングを達成しようとしている。早朝、深夜と道場で汗を流した。「大変は“お友達”。だからといって、プロレスのパフォーマンスが落ちたら駄目」と言う。

 最初は会場がシーンと静まり返ったキャッチフレーズ“100年に1人の逸材”。「本当に100年に1人の男になりたい。プロレスの光で、明日を照らしたい」。力道山、ジャイアント馬場、アントニオ猪木…自らの名をプロレス史の最高峰に刻む覚悟だ。【小谷野俊哉】

 ◆棚橋弘至(たなはし・ひろし)1976年(昭51)11月13日、岐阜県大垣市生まれ。立命大時代にレスリングを始め、99年4月、新日本入門。同年10月10日、真壁伸也(現刀義)戦でデビュー。06年7月にIWGPヘビー級王座を初獲得。07年G1クライマックス優勝。得意技はハイフライフローなど。181センチ、103キロ。血液型O。