<プロボクシング:WBA世界フェザー級タイトルマッチ12回戦>◇31日◇横浜文化体育館

 WBA世界フェザー級8位の細野悟(28=大橋)は同級王者のセレスティノ・カバジェロ(35=パナマ)に0-3で判定負けした。

 世界の壁は厚く、高く、遠かった。細野は最後まで攻め、バズーカの左も入ったが、結果は判定負け。2人のジャッジは11ポイント差で、1ラウンドしかポイントを奪えなかった。

 両まぶたをはらせて「距離がかなり長い。すごいうまかった」と脱帽した。長いリーチの上にパンチもモーションも実に多彩。5回に腰をぐらつかせたが「誘っていた」。さらに10回にはクリンチされた時にラビットパンチで減点。これも王者のうまさだった。

 昨年1月の初挑戦は1階級下だった。今回は本来の階級で集中して練習できた。しかし、王者は10連続防衛、王座統一、2階級制覇。35歳で世界のトップに居続ける強さの前に、またしてもはね返された。

 プロを目指して、中2から地元いわきのジムでボクシングを始めた。福島原発から50キロ圏内にあり、両親も一時東京に避難した。約100人が日帰りで応援に駆けつけたが、期待に応えられず。

 10月に1学年上の八重樫が世界を取った。ジム3人目はお預け。「できればやりたい」に松本トレーナーも「完敗ではない。伸びシロがある」と後押し。大橋会長もつかんだ3度目の挑戦を望んだ。【河合香】