ボクシングの大橋ジム(大橋秀行会長=47)が、芸能事務所のサラエンタテインメントと業務提携を結んだことが5日、明らかになった。同ジムには、高校生初のアマ7冠の怪物・井上尚弥(19)や、元WBA世界ミニマム級王者・八重樫東(30)ら、ボクシング界を超えたファンを持つタレントを抱えており、芸能事務所の方から話を持ちかけてきたという。

 怪物効果だ。昨年デビューした井上は、プロ2戦だが、今やその知名度は世界王者に引けをとらない。プロ3戦目のテレビ放送を巡っては、地上波テレビ局が獲得合戦を展開したほど。まだ、日本王者にもなっていないが、すでにテレビのバラエティー番組に登場。さらに、八重樫は昨年6月の井岡一翔(23=井岡)とのWBA・WBC世界ミニマム級王座統一戦で敗れはしたが、壮絶な打ち合いで人気が一気にアップした。

 大橋会長は「八重樫や井上の活躍で、世間から注目されるようになった。私たちのテレビ出演などの窓口になっていただくということです」と話した。過去に、選手が芸能事務所と個別に契約した例はあるが、ジムと芸能事務所との業務提携はきわめて珍しい。

 サラエンタテインメントは、全日本プロレスの武藤敬司(50)や、タレントの大森うたえもんらが所属。格闘家やスポーツ選手のプロモーションに力を入れている。世界王者を目指す井上と、王座返り咲きを目指す八重樫、さらには大橋会長の露出が、今後は試合会場以外でも増えそうだ。