読者が選ぶ「第18回日刊バトル大賞」ボクシング部門MVPは、WBC世界バンタム級王者・山中慎介(31=帝拳)が初受賞した。V4戦となった8月のニエベス戦で年間最高試合も初受賞し、2冠に輝いた。今年は4、8、11月の防衛戦を3連続KOで勝利し「すべてKOで終わらせ、すべてが日刊スポーツの1面を飾ったことが大きいのでは。トータルでインパクトを残せたと感じています。読者の方に選んでいただいたこともうれしいです」と、感謝の言葉を口にした。

 今年は同じバンタム級でWBA王座に興毅(今月6日に返上)、WBO王座に和毅と、亀田兄弟が就いていたことで、常に試合内容を比較された。2人のいずれかとの統一戦の話題も出たことで、山中の存在感は増した。「亀田君との統一戦が実現するかどうかは別にして、話題になったことは大きかったかもしれないですね」と自己分析した。

 世界王者となって以降は「メールや電話で反響が大きい」とスポーツ紙の1面を飾ることへの意識も高まった。来年1月には待望の米ラスベガス合宿も内定。「来年は米国でビッグマッチができれば。そのまま日刊スポーツの連続1面を続けたい」。米進出でも話題を提供する。【藤中栄二】

 ◆山中慎介(やまなか・しんすけ)1982年(昭57)10月11日、滋賀・湖南市生まれ。南京都高1年でボクシングを始める。専大ボクシング部を経て、帝拳ジムへ。06年1月にプロデビュー。10年6月、日本バンタム級王座を獲得。11年11月、エスキベル(メキシコ)とのWBC世界バンタム級王座決定戦に勝って王座獲得。身長171センチの左ボクサーファイター。