安田が練習嫌い返上「死ぬ気」で猛特訓※画像クリックで拡大表示

 自殺未遂から1カ月、プロレスラー安田忠夫(44)が「大変心」して始動した。13日、都内のジムで復活へ向けたトレーニングを開始した。練習嫌いだった過去を返上、オリックス清原和博内野手の個人トレーナーでもあるケビン山崎氏の指導の下、約2時間、筋力トレーニングの基本フォームから取り組んだ。私生活でも食事制限と禁酒禁煙を貫く。大相撲の小結や元IWGPヘビー級王者だった栄光をリセットして、「死ぬ気で」ゼロから人生をやり直す。

 安田は新弟子のように必死だった。筋トレの基本フォームの反復練習を、真剣な顔で繰り返した。疲れて苦しくなると大声で「お願いします」と気合を入れた。最後のランニングマシンこそ規定時間前にギブアップしたが、2時間休みなしで体をいじめ続けた。

 新日本時代から練習嫌いで有名だった。「さぼり」は日常茶飯事。05年1月には試合への遅刻、欠場を繰り返し、素行不良を理由に新日本を解雇された。本格的な練習はこの日が「5カ月ぶりかな」。9月のIGF名古屋大会も練習せずに出場していた。

 10月4日に自殺未遂で入院した。仕事を休んで看病してくれた長女のAYAMIさんに叱責(しっせき)されて目が覚めた。「オレがバカだった。生まれ変わって、恩返しがしたい」と改心を決意。長女に「死ぬ気で頑張る」と約束した。

 力強い味方もついた。師匠の猪木の紹介で、オリックス清原らの肉体改造を成功させた、トレーナーのケビン山崎氏の指導を仰ぐことになった。東京で1週間練習した後、沖縄の平仲ボクシングジムで約1週間合宿し、帰京後に2週間の練習で仕上げる。山崎氏も「1カ月で8割まで持っていける」と自信を見せた。

 ヘビースモーカーで酒も大好き。しかし、山崎氏からは生活面でも指導を徹底されている。「食事は高タンパクで低糖質のもの。鶏のささみや魚などです。もちろん禁酒、禁煙」(山崎氏)。安田も「黙ってついていくだけです」と覚悟を決めている。12月20日のIGF有明大会を、人生の再スタートの場に決めている。「ここであきらめたら試合ができない。山崎さんにもガンガン怒ってくれと頼んでいる」。もう過去の自分に戻るつもりはない。【来田岳彦】[2007年11月14日8時10分

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