春場所で左膝を負傷し再起が注目されていた、人気幕内力士の西前頭9枚目・遠藤(25=追手風)が5日、夏場所(10日初日、東京・両国国技館)出場の意向を示した。同日、負傷後、初めて土俵で幕下力士と12番、相撲を取った。

 数日前から土俵に入り、立ち合いだけの稽古を行っていたが、勝負が決まるまでの相撲を取ったのは「今日が初めて」と遠藤。稽古後、取材に応じ「今日です、今(夏場所出場を)決めました。さっき相撲を取って決断しました。思ったより体が動いたし、出る方向でいます。この後、トラブルがなければ」と語った。

 遠藤は春場所5日目の松鳳山との取組で、前十字靱帯(じんたい)と半月板を損傷。損傷の程度によっては手術する可能性もあったが、懸命な治療とリハビリで回避。休場の危機を、ひとまず回避することにこぎつけた。

 それでも慎重な姿勢も崩さず「出る方向でいる」「今のところ出るつもりでいる」「(初日)前日に違うところをケガするかもしれないし、そうならないように」「この後、トラブルがなければ」と、言葉を慎重に選んだ。出場すれば、待望の大銀杏(おおいちょう)を結える。「もう結えるでしょう」と、最後の言葉を発した時だけ、チラリと笑みをこぼした。