横綱鶴竜(30=井筒)にまた、注文相撲が出た。

 立ち合いで左に変わって、関脇栃煌山(28=春日野)をはたき込み。好勝負を期待した満員札止めの観客から、ため息とざわめきが起こった。

 横綱昇進後、これで3度目の変化。それらはいずれも前日に負けているとき。「まったくそういうアレ(考え)はなかったんですけど…。どこかで勝ちたいという気持ちがあるんでしょうね…」とばつが悪そうだった。

 大関照ノ富士(23=伊勢ケ浜)が全勝を守っており、どうしても、もう負けられない意識が働いた。「こういう相撲では、次にはつながらない。しっかり、次には気持ちを切り替えていきたい」と、自らを戒めるように話した。