昨年秋場所以来、4場所ぶりの関取復帰を目指す東幕下2枚目の豊ノ島(33=時津風)が、この日組まれていた西筆頭の貴源治(19=貴乃花)との1番相撲を休場し、不戦敗となった。

 師匠の時津風親方(元前頭時津海)によれば、8日の稽古中、右のふくらはぎを痛めたという。直前まで出場の可能性を探っていたが「今日も出るつもりでいたけど、痛みがひかない」と説明。無理はせず大事を取って休場を決断した。ただ同親方は「様子を見て途中から出ると思います」と話し、回復具合を待って途中出場の方向でいる。

 豊ノ島が再十両になるには、4番勝っての勝ち越しはもちろん、昇降の力士数によっては5勝が求められる場合もある。最大で残り6番となるため復帰の時期が注目される。

 一方、貴乃花親方(元横綱)が育てた3人目の関取の座を狙う貴源治は、支度部屋で準備運動の真っ最中に、兄弟子に伝えられて初めて、不戦勝での白星発進を知ったという。「先場所は負けて(通算で豊ノ島とは)1勝1敗だったから、割(取組)が決まった(2日前の)金曜日から『もう一丁!』と気合が入ってました」と話した。肩すかしを食らった格好だが、運も実力のうち。「いいように考えます」とプラスに変えて、残りの土俵に臨む。