幕下15枚目格付け出しでモンゴル出身のトゥルボルド改め水戸龍(23=錦戸)が、3勝3敗から勝ち越しをかけて最後の7番相撲に臨んだが、西幕下19枚目の虎太郎(21=藤島)に押し出しで敗れ、デビュー場所を負け越しで終えた。

 昨年は学生横綱、一昨年はアマ横綱の看板を引っさげて臨んだが、独特の緊張感と、プロの厳しさの前に屈した。この日も立ち合いの当たりは弱く、押し込まれるとズルズル後退。たまらず引いてしまい、土俵を割ってしまった。

 「引いたらダメと、周りから言われ自分でも思ったけど引いてしまった。立ち合いも軽かった。思い切り当たって、突き放してまわしを取ろうと思ったけど、引いてしまった」と水戸龍。自責の念に駆られるように「引いてしまった」の言葉を何度も口にした。

 黒星発進から連勝、連敗と来て6番相撲で再び五分へ。そして迎えた最後に、屈辱を味わわされた。場所前は「(アマとは)違う世界に入るから、想像が出来なくて『どうなんだろう』と思った」と場所後の結果は予期できなかったというが「アマと違って力を出しにくい。立ち合いも慣れないし、立ち合いで負けると力を出せない」と迷い道にはまったまま、場所を終えることになった。

 01年初場所から、幕下付け出しの最高位が「10枚目格」ないしは「15枚目格」と規定されて以降、過去19人が皆勤したが、負け越したのは水戸龍で4人目。捲土(けんど)重来の4文字を心に刻むように「今場所は勉強になった。本番で力を出せるように、気持ちを切り替えて勉強して、準備します。このままでは、いつまでも力を出せないから」と言葉を振り絞った。