序ノ口は、日体大を卒業し5月の夏場所で初土俵を踏んだ友風(ともかぜ、22=尾車)が、7戦全勝で優勝を決めた。

 ただ1人、6戦全勝で迎えた7番相撲で、相手は序二段の朝塩本(高砂)。183センチ、168キロの恵まれた体を生かした。もろ手で当たった次の瞬間、相手がバランスを崩したのが見えた。迷わず「相手の腰が落ちたので、反射的に引いた」と友風。いとも簡単に相手を土俵をはわせ、優勝が決まった。

 川崎市川崎区出身の友風は、小学生時代からピアノを習った。リチャード・クレイダーマンを好み、音大への勧めもある中で「お相撲さんは格好良いなと思った」とプロ入りを選んだ。あこがれは大学の先輩の嘉風。「体や気持ちの持って行き方などすごい。先輩の背中を見てついて行けば間違いない。ファンを沸かせて勝つ相撲を目指したい」。関取の座は、嘉風が果たした所要8場所での昇進が目標だ。付け出し資格はなく、序ノ口からのスタートだが、それも「いろいろ経験できるとプラス思考でいます。焦らず徐々に」と番付アップを目指す。