大相撲の夏巡業に7月30日のスタートから参加している横綱白鵬(32=宮城野)が、7月の名古屋場所前に発症した左膝痛の治療に専念するため、13日から離脱し、帰京することになった。

 夏巡業は12日、2日間開催で行われる仙台巡業の初日が、仙台市青葉体育館で行われた。治療や静養に努めていたと思われる白鵬は、朝稽古の時間は会場に姿を見せず、割(取組)からも外れた。代わって玉ノ井巡業副部長(元大関栃東)が「今、無理するより治療した方がいいという(判断)。疲れとかもあるだろうし」と説明した。負傷箇所は左膝だった。

 横綱土俵入りを務めるため、午後に会場入りした白鵬は、状況を説明。それによると名古屋場所前から、痛みを覚えたという。それでも同場所は、2場所連続39度目の優勝と、通算最多勝利記録を樹立。場所後にモンゴルへ帰省し、7月29日に再来日した成田空港では「名古屋場所前に痛めたところがある。夏巡業は悪化させないようにやりたい」と話していた。この日、白鵬は「(再来日する)4時間半の飛行機(搭乗中)で痛みを感じました」と明かした。

 そんな状況でも、この夏巡業は4横綱でただ一人、初日から参加。だが稽古も満足に出来ないため状況もあって、離脱を決断した。現状の痛みについては「もちろん(ある)。稽古すると筋肉が大きくなって、神経を圧迫される。同じ姿勢が続くと(痛みが出る)。ゆっくりと安静にして」と説明した。

 14日には岩手・釜石市で東日本大震災の復興土俵入りが行われ、稀勢の里(田子ノ浦)と2横綱でそろい踏みする予定だった。それも13日に帰京するため欠場となる。代わりに日馬富士(伊勢ケ浜)が務める。震災発生の11年から昨年まで、6年連続で復興土俵入りを務めていた白鵬だけに無念の欠場となるが「いやいや、2人の横綱が出てきた。代わりはいるでしょう」と、途中から巡業に合流した稀勢の里と日馬富士に思いを託す。「(夏巡業)前半は私が(重責を)託されたから(後半は)託したい」と話していた。