一昨年のアマ横綱が、所要3場所での新十両昇進当確に“マジック”2とした。東幕下14枚目の水戸龍(23=錦戸)が、全勝同士の対戦で、東幕下3枚目の舛の勝(22=千賀ノ浦)と対戦。逆転の突き落としで5戦全勝とした。

 「立ち合いから、つかまえるつもりだった」という狙いも「なかなか、つかまえられなかった」と下から圧力をかける舛の勝の寄りにズルズル後退。さらに「絶対に引かないつもりだったのに引いてしまった」と相手を呼び込み、あっという間に西土俵まで下がってしまった。ただ「残れるとは思った」と体を開き、右から突いて逆転の白星をもぎ取った。

 「駄目な相撲だけど勝てて良かった」と水戸龍。自分でも認める、あがり症のようでプロの土俵も3場所目を迎えても「まだ慣れない。先場所よりは、ちょっとだけはいいけど」と言い、それは場所入りして支度部屋で身支度を調えると「すぐに(支度部屋を)出ちゃう」という行動にも表れるという。

 それでも無傷の5連勝。5戦全勝は他に、栃丸(東20枚目=春日野)、彩(西39枚目=錣山)、鏡桜(西49枚目=鏡山)に絞られ、この4人の中から7戦全勝優勝の力士が決まる。15枚目以内の水戸龍が2連勝なら、十両昇進の優先権を得られ念願の関取の座を手中に収めることが出来る。それは「全然、意識していない。意識したら緊張するから。一番一番、集中してやるしかない」と無欲を強調した。