大相撲で、平幕貴ノ岩(27=貴乃花)へ暴行を加え、負傷させた横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が29日、福岡県太宰府市内の太宰府天満宮で引退会見を開き「日本、日本の国民を愛しています」と謝罪した。主な一問一答は以下の通り

 -引退を決めた心境とここで引退した理由

 日馬富士 国民の皆さまに…世間をこんなに騒がせ、相撲協会、支えてくださったいろいろな方に大変迷惑をかけて、本当に心から申し訳ないと思っているところです。

 -警察と協会の危機管理委員会の捜査、調査が進むこの時期に発表した理由

 日馬富士 親方と話をして、横綱としてやってはいけないこと…自分のやったことを親方に言ったので。場所中だったので、場所を頑張ってやろうという人たちに、最後まで頑張っていただきたいな、ということで本日になりました。

 -いつ決意した?

 日馬富士 このことがマスコミの皆さまに知られて、その後、親方に話して、「このこと(事態が)大きくなっています」と言った。「横綱として、横綱の名前に傷つかぬよう責任を持ちたい」と親方に伝えました。

 -横綱とはこれまでどんな話をした? 引退を師匠としてどう思う?

 伊勢ケ浜親方 やった事実はあるわけですから、責任は横綱として、しっかり取らなきゃといけないと、いつもそういう話をしてきました。やはり、横綱という名前を汚しちゃいけない…それは、あってはいけないことなので、その意味では私の指導不足もありますけど、本人ももっと反省して、これから勉強しながら社会貢献なりなんなり、頑張っていければと思いますけど。

 -一連の事件について。一体、何があったのか?

 日馬富士 先輩横綱として、弟弟子が礼儀と礼節がなっていない時に、それを正し、直し、教えてあげるのは先輩としての義務だと思っています。弟弟子を思って叱ったことが彼を傷つけ、そして大変世間を騒がして相撲ファン、相撲協会、後援会の皆さまに大変迷惑をかけることになってしまいました。

 -相撲界にこれまで不祥事があり、騒動を起こしてはならないと思ってきたはず。なぜ今回、起きてしまったか?

 日馬富士 弟弟子を思って、これからのことで叱ったことが、彼にとって礼儀と礼節、ちゃんとして考えながら、頑張っていけるんじゃないかなと思った上で、行きすぎたことになってしまいました。

 -常々、お客さんを喜ばせる相撲を取りたいと語ってきた。ファンに対して

 日馬富士 16歳で母国から離れて、海を渡って父国である日本にやってきて、親方とおかみさんの元で相撲、そして人様に迷惑をかけないよう、人としてちゃんと生きる道を教えていただきながら育ちました。相撲を通じて縁があった方々、ファンのおかげさまで第70代横綱になることが出来た。私は日本、日本の国民を愛しています。ファンの皆さまに心からお詫びを申し上げて感謝、感謝、感謝を申し上げたいです。

 -横綱にとって相撲の世界はどういうもの?

 日馬富士 私は相撲を愛しています。大好きです。そして相撲というのはただ強いだけではなくて、人として、そして相撲を通じて国民の皆さまに感動と勇気、相撲を通じて社会に出来ることを一生懸命やるとおかみさんから学び、自分の出来る限りのことをやってきました。私にとって相撲は、ただ戦って強いだけではなく感動、勇気、希望を与える相撲なのかなと思います。

 -17年間の角界人生を振り返って

 日馬富士 相手があっての相撲なので、今まで戦ってきたライバル、相手にも感謝ですし、縁があって出会った方の支えのもとで、親方、おかみさんに支えられて今まできたので、すばらしい17年間でした。

 -5年前の九州場所で横綱に昇進した。横綱とはどういうもの?

 日馬富士 僕は上がった時にも言いましたが、横綱として皆に基本と見本になるように、そして横綱の名前に傷が付かないように、精進して一生懸命頑張りますと言いました。一生懸命、横綱として土俵の上に上がり、そしてお客さんに楽しんで、喜んでいただける相撲だけ考えて横綱の責任を果たしました。