鶴竜が無敗を守り、8連勝のストレート給金で単独トップに立った。立ち合いで右上手を取ると、前に出てくる正代の力を利用し、上手出し投げで仕留めた。一瞬の判断で相手に何もさせず完勝。「体がよく反応した。よく相手が見えた」と、満足げに振り返った。正代とは同じ時津風一門とあって、出稽古でもよく胸を合わせているだけに、これで対戦成績は6戦全勝。「若手だし、頑張ってもらいたい」と、正代にエールを送る余裕も見せていた。

 今場所前まで4場所連続で休場し、進退問題に発展していたが、早々と勝ち越しを決め、その話題も封印される可能性が高くなった。4場所以上連続休場した横綱が復帰場所で初日から8連勝した場合、いずれも優勝という頼もしいデータもある。それでも「あと7番あるし、まだまだ」と、気を引き締め直した。部屋の若い衆を連れて焼き肉店で食事する、中日恒例の行事でエネルギーを再充電し、一昨年九州場所以来4度目の優勝へ突き進む。